IBM i ではシステムの標準コマンドを使用してプログラムやファイルといった「オブジェクト」に関する情報をファイルとして取得することができます。しかし必要になる度に関連するライブラリやファイルに対して一連のコマンドを実行しなければならず、また取得した情報をPC側に転送して利用する場合も変換などにひと手間かかるため、せっかくの有用な情報をうまく活用できていないシステム部門も多いと思います。
Trinityのオブジェクトツールは、これらの煩雑で手間のかかる作業をツールの力で簡単な作業に変えてくれるので、システム部門はIBM iが持つ高度な機能を手軽に活用できるようになります。
「オブジェクト辞書の作成」は、IBM i の標準コマンドを使ってオブジェクトに関する情報を収集し、PC上に「オブジェクト辞書(データベース)」を作成する機能です。「オブジェクト辞書」はSQLite3形式で作成されますので、クエリーなどを使用することでオブジェクトに関する情報をPC 上で自由に操作することができます。
更に「オブジェクト辞書」から簡易的な資料を作成する機能も用意されています。この機能を使用すると簡単な操作でオブジェクト辞書からExcel の資料を作成することができます。他にも簡易的な棚卸機能も用意されていますので、IBM i のオブジェクト情報をPC 上でじっくり腰を据えて調査することができます。
「オブジェクト変換」を使用すると、コマンドの実行からPCへのファイル転送、CSVファイルやExcelブックなどへの変換をまとめて行うことができます。実行できるコマンドはシステムで用意されている標準コマンドだけでなく、ユーザーの作成したプログラムも指定できます。例えば一連の作業を予めCLプログラムとして用意しておくことで、複雑な手順も実行することができます。
変換できるファイル形式も複数用意されていますので、目的に応じた最適なファイル形式に変換することができます。
Trinityでファイルの転送を行う場合、「転送用パラメータ」と呼ばれるパラメータファイルが必要になります。転送用パラメータはIBM i のファイル毎にレコードサイズやフィールド情報を記述したもので、DSPFFDコマンドで生成された情報を元に作成されています。
転送用パラメータを作成する手順は単純なものですが、新しいコマンドを実行する度に手動で用意するのは大変手間がかかります。そこで転送用パラメータの作成や更新の手間を簡素化する為に用意されたのが「FTP パラメータ」であり、それを作成するための画面が「FTP パラメータの作成」です。
なおFTP パラメータは元々IBM i とのFTP 通信に関する設定を一元化する為に用意された機能のため、転送用パラメータの作成以外にもFTP 通信を行う為に利用されることがあります。