「文章履歴」とは設計書の作成履歴のことで、設計書の保管場所や更新日時などが記録されています。文章履歴には言語翻訳で作成された設計書以外にも、PDF やExcel 設計書の履歴も保管されます。更に一部の調査ツールでは、文章履歴を元に作成された設計書を直接表示する機能(クイックビュー)が実装されました。
文章履歴の作成有無は「言語翻訳」のオプション設定で行います。
文章履歴のメンテナンスには「文章履歴メンテナンス」を使用します。
メンテナンス画面は、主に明細の確認や不要な履歴を削除するために使用します。
「クイックビュー」は分析ツールから手軽に設計書やソースを閲覧するための機能です。
例えば「フィールドネット」で検索を行っている時にプログラムの設計書を確認したい場合があります。従来はグループ設計やWindows のエクスプローラーなどを使って該当プログラムの設計書を表示していましたが、「クイックビュー」を使用すると検索結果から直接設計書を表示できます。閲覧にかかる手間を大幅に軽減できるため、結果として思考が妨げられず、スムーズに分析や調査を行うことができます。
今回のリリースで「クイックビュー」に対応した機能は以下の8つです。
・設計書サーチ
・フィールドネット
・変数ネット
・RPG ソース日本語化
・辞書閲覧
・ソース検索
・ファイル使用経路探索
・オブジェクト辞書の作成
いずれも結果一覧で「Ctrl+Shift+Enter」を押すことで選択画面を呼び出すことができます。
今回のバージョンアップで「ZDFファイル」という独自フォーマットへの変換機能がサポートされました。
「ZDF(ZeroDivide Document Format)」は弊社独自のドキュメントフォーマットで、グループ設計などの閲覧時に内部的に使用されていたFDP ファイルの拡張フォーマットにあたります。そのためZDF ファイルに変換された設計書の表示は、グループ設計などで表示した場合とまったく同じ見た目になります。
ZDF ファイルの閲覧には「ZDF 設計書ビューアー」を使用します。
「ZDF 設計書ビューアー」を使用する上で特徴的なのが「関連情報へのアクセス」です。
例えばPDF 設計書では、プログラムが使用するファイルや画面をひとつのファイルに保管して「しおり」を使って呼び出すことができますが、ZDF ファイルでは関連情報をそれぞれのファイルには保管せずに「ZDFDIC」という専用のデータベースファイルに保管します。このデータベースファイルがZDF ファイルを作成した際のルートフォルダに存在する事により、ZDFファイルでは画面に表示された全てのテキストがリンク元として機能するようになります。
例えば「プログラム仕様書」では設計書上にファイル名や画面名が表示されますが、これらをマウスの右ボタンでクリックすることで、そのテキストに対応したファイルや画面の設計書を簡単に表示することができます。また「画面レイアウト」であれば、画面上の項目をクリックすることで、その項目の変数名や属性、桁数などを画面で確認することができます。更に「フィールドネット」など、分析ツールが使用できるライセンス環境であれば、そのまま各機能を呼び出して使用個所を検索することもできます。
なお「ZDF 設計書ビューアー」の動作にはライセンスの導入は必要ありません。そのためTrinity が導入されていないPC でもZDFファイルの閲覧を行うことができます。
ZDFファイルへの変換には「ZDF 設計書の作成」を使用します。
この機能は「PDF設計書の作成」などと同様にスケジューラに組み込んで作業を自動化することができます。
上記以外にも言語翻訳をはじめとした様々な機能強化や改善が行われています。